エレキギター修理の話し②
今回は先週のと大昔の話しがごちゃ混ぜで時系列が変だが、最初はフレットが摩耗して困る話しだ。
キャリアの浅い方や上品な弾き方をしてたら実感は無いかも知れないが、かなり思い切って減っちまうもんなのだ。
だが交換コストが結構なお値段になるのもあって、治すより買い替えられるケースも多い様だ。
これも俺独特な見識っぽいがせめて「推定標準耐用年数」なんてのでも、新品の段階から示してくれてたら後で悩まされずに済むのにと思う。
出したい音にもよるが如何に電気の力を借りてても、ある程度以上しっかり弾かないと他の音に負けて埋もれたりもする。
現代みたいにPAが発達したりしてるとその影響も低下したけれど、アンサンブル内で小さ目音量だが必ず聴こえてないといけない時等は差が出てしまう。
何時もしっかり弾いてるとフレットの減りが気になるが、ベースのスラップ等だと余計に下手な手加減は音的にロクな結果をもたらさない。
それと結局幾らそっと弾いても少しは擦り減って行くとなれば、減ったらどうするかを考えるしかないだろう。
これがまた面倒なのは「弦の影部分」中心に削れる処で、弦交換時等にならないと気付き難く発見が遅れがちな処。
ここで気になるのが「消耗が分かってるのに未対策」な処で、他の部品と違って無傷の交換が可能なシステムに未だなって無いのだ。
色々困難がありそうではあるが、西洋系の楽器にしては珍しい感じもする。
太鼓で和洋比較すると明確なんだが和の固定に対し、西洋系は何でも交換・調節が可能な方向性を持ってるのでね。
これ奏者・使用者にとってはちょっとした難問で、滅多に自分では処置不可能だ。
一応楽器屋の俺でも過去に1回だけしか経験が無く、元が中古で破格で入手しバインディングが無いタイプだったので試す勇気が辛うじて湧いたのだ。
幸い成功して現用中だが、指板の極端に薄いタイプのだったから難儀した。
ナットについてもベースは弦が太いから良いが、ギターの高音弦側のは溝が細過ぎて市販のヤスリでは対応不可だ。
折角工作が得意だったとしても専用のヤスリは高価だし、使用頻度を考えると普通の奏者は購入に2の足を踏む事になるだろう。
弦の間隔が合ってれば溝切加工済みので高さが充分なのを入手して、全体高さつまりナットの裏面を削って慎重に高さを合せる手もある。
しかし意外な位ここが多種多様で寸法はマチマチで更に個体差も中々、バッチリな演奏感を求めるとやはり「現物合わせ」が最適な様だ。
こう書いて来ると暗い事ばかりの様に見えるが、冷静に振り返って考えればそうとも言えない。
要は楽器によって経費の掛かるタイミングが違うだけで、一般的なものなら長い目で見たら大差無さそうなのだ。
例として太鼓とピアノで比較して行くと太鼓は割と普段からだが、ピアノは調音以外は凄くたまにと正反対だ。
太鼓の皮やバチは奏者や使われ方次第では、見る見る消耗する。
真偽は定かじゃないがBONZO氏に至っては、下手するとワンステージ持たないなんて位だ。
ピアノは自宅にあるなら普段弾くのはゼロ円だが、ハンマーフェルトをどうこうとかなると大きくまとまった額が必要になる。
数は多いし通常は技師の方に出張して貰う事になるので仕方無いが、急な出費感も加味されるから余計高く感じてしまう。
本邦固有の認識かは不明だが、楽器の維持費は随分と敬遠されたもんだ。
これが呑み代だとお金の他にも泥酔して他人に迷惑でも問題視され難いみたいだし、俺的にはディズニーランドの高料金は不当に感じられる。
無理に数を売ろうとして都合の良いのだけ吹聴せず、最初から適切なインフォメーションをもっと積極的にやったらどうかと思う。
知らずに後から経費が掛るのは実際よりも悪い印象を与え兼ねないし、どう頑張っても生活必需品みたいにゃ売れっこ無いんだから。
最近Gibsonが倒産したらしいが、楽器には一般企業の拡大政策なんぞ合う訳無いのよ。
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