Bass Drum Pedalの踏み方⑱トゥヒール&ヒールトゥ編5
暫し間が空いたが今度は奏者にとっての「感覚」についてで、当然個人差はあるが使用ペダルによる差も含めて記そう。
如何に多様な個人差があれどもしペダルバネの強さ等が倍以上も違えば、相撲取りと凡人がぶつかり合う様に結果は知れてるからだ。
具体的に一番影響されるのは足首で踏む場合で、特に「実用頻度」には道具次第で確実に差が出てしまう。
改めて奏法別のコツを列挙しとくと、
①脚の単打:力でも可能
②スライド系:膝の速度が必要
③トゥヒール系:確度の高いフォームと速度が必要
だ。
再三に渡って唱えてるがそれ故後者になる程「速度でパワーを稼ぐ」技術が必要で、それの特に習得時には力の要るペダルがご法度となるのである。
トゥヒール系練習時に気にすべき箇所は、
①爪先等が実際に必要分上げられてるか
②力無視で必要速度が稼げてるか
③極力省エネでそれを継続的に演れてるか
こんな所だ。
ここで大きな問題となるのがペダルの最低必要力で、最初からそこそこ力が要るのではそっちに気を取られて中々進展しない。
手の指で連続的にスティックをバウンドさせようとする時力が完全に不要とはならないが、どう比べてもタイミングや加減の方が圧倒的に難しいしそれが必須なのと同じなのだ。
技術的に複雑さを要する程、足でだってその傾向に差は無いのだ。
是迄力で素晴らしい大音量が出せてたとしても、この手の奏法とは方向性が違う。
本番時は別としても、練習では一旦完全にパワーを放棄する勇気が一番の近道となる。
それもペダルのバネ等も極力弱めて、お金持ちなら失敗したら壊れて買い直す位貧弱なペダルの方が良い。
要はなるべく「力ではどうしようもない環境」へわざと持ってってでも、要領(演り方)だけでしか何とか出来ないのが良いのだ。
幾らバネが弱く軽くても極端に動きが悪いと駄目だけれど、ベアリングが錆切ってでもいない限り初歩段階の速度でなら問題にならない。
まずは出鱈目でも良いから、一応足首だけで3分位の曲を「なぞれる」様にして行こう。
原理的には腿より足の甲は全然小型だから、パワー度外視なら速く動かせるものだ。
但し言い様によっちゃ「無意識にサッと」には結構慣れが要る様で、意識するとその分だけ力み力めば速度は期待出来なくなる。
足首か腿かの順番にだって多少訓練は要るが、現代環境下の者にとっては「最低意識の足首踏み」マスターがやはり峠となりそうに思われる。
片足で下手すりゃ両足より沢山鳴らそうなんてアホは俺以外にゃ滅多に居ないかも知れんが、それでも「ダブルストローク」(トゥヒール系やスライド系)に挑戦しようってのは今までよりは多く鳴らしたいとも言える。
数が増せばその分一々1音に拘っていられなくなって来るのは必定だから、結果的に「1音に割り振れるパワー」も必ず減るのだ。
手持ちの現用ペダルがヘヴィ過ぎた場合不完全ではあっても、
①バネ強過ぎなら臨時に輪ゴムで弱化
②慣性重量過大ならビータを軽いのにしたり短くする
等々で練習に適化は可能。
特に足首未経験なら自分で脚を上げない限り、ビータが皮から全く離れない位で上等だ。
最近の若者なら最初から昔の俺みたいに力任せじゃないだろうけど、踊りの振りを覚えてなぞるのに近いと思う。
踊りは最終的にはポージング(形)も問題となるが、手を上げるべき時に下がってたりしたら「それ以前」だから。
なので体の力は不要・神経はちょいと疲労、しかし何より「順番だけは間違えずに出来た」みたいに先ず「なぞれる」事が必要なのだ。
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