Bass Drum Pedalの踏み方⑭トゥヒール&ヒールトゥ編2
今回はこの手の奏法時の「力の入り方」や、入れた「力の使われ方」について記そう。
最初に指摘しておくが、極限迄速めようとしたらかなり力も要る点だ。
ペダル関連の質量以前に人の脚・足は結構な重さがあり、手のそれと比べたら言わずもがな。
それをジャカスカ忙しなく動かそうってんだから、労力は推して図るべし。
只重要なのは「何に対する力か」で普段の人の感覚に任せると、多くの場合それは速度より圧力へ向いてしまう事だ。
なので実際には力も使うんだが、「仕方無く使ってしまった」とでも言うか。
全然入れ様としてないけど、必死に動かそうとするので草臥れるって感じ。
誰だって無理すればそう云う時は力むものだが、少しづつでもせめて「動きを制限しない力み」になる様に訓練して行くのだ。
その方法が太鼓の脚・足の場合だと、「動作に拘ってみる」のが1つの良案なのだ。
俺的には現代標準たるバネ力過大ペダルは、奏力向上に対してけしからん存在としか映らない。
それは只音を出そうとするだけでも「本来からしたら必要以上」の力を要するからで、もう「無駄力み癖付けマシーン」だ。
何であんなちっぽけなビータを振るのに、一々「ヨイショ」ってしなきゃならんのさ?。
一度ビータを持って手で鳴らしてみなはれ、勢いとか振り巾が要っても所謂パワーは幾らも使わないってか使えないやね。
バチより細くて表面ツルツルのビータシャフトだからね、落さない様にするのに腐心して力が要るとしてもこっちで精一杯だわ。
「棒の長さ」がビータの方が相当短いからスティックよりは別の意識も少し要すけれど、「脚じゃないと出せない音量」なんて実際は存在しないよ。
これを知るだけでも一旦パワーを無視する勇気の素となると良いが、兎に角初期段階では最大音量は完全無視する。
先ずは動作の確実さ、次に速度へ注力するのだ。
もし音の大きさで気にするとしたら足首(トゥ)と脚or腿(ヒール)の音量差で、全体が大きかろうと小さかろうと極力差を無くすのに務める。
これは本質的には上記「確実な動作」に含まれてて、キチンと踏めたら想像し難い位音量差は無くなるし音量も自然と出て来るから。
何度も繰り返しになるけれど西洋太鼓は対和太鼓等とすると、力じゃなくて速度で音を出す仕様なんだからね。
人は「速度が出せる」様にするのに力を用いると、ペダルがそれを大音量に変換してくれるんだ。
体に瞬間的(動かそうとする時の力)でなく、継続的(単なる力み等)な力を入れたら確実に動きは低下する。
何度も繰り返しⅡだけど先ずは「動作を体で覚える」のが目的だから、ホントに「バネ弱」にしとかないとあきまへんで。
ちゃんと出来る様になってからじゃないと、パワーも速度もへったくれも無いんだかんね。
何処かの段階でどうしてもバネを強めたいとしても、それは奏法が「確立」出来る迄は我慢しましょう。
どうなれたら確立かってぇと
①明らかにシングルストロークでは不可能な速度で継続・連続が可能
②強弱を付けようと思ったら少しは付けられる(手のアクセントと同様に)
③トゥとヒールのどっちが先かの意識だけ程度で踏める
こんな感じだと思う。
実際に俺の場合普通のペダルでも少しは出来る様になったのは、主に上記②の達成後だった。
③についても頭の中はほぼフレーズをどうするかだけ位になってからだったので、両手でスネアだけで色々演ろうとする時と同じ位の感覚が持ててからだったな。
たまたま上記の数字順に習得出来て来たんだが、①だけの時点ではSpeedking以外になると途端に踏めなくなってたさ。
太鼓って全身を使うので他楽器より得手不得手の個人差が現出し易い気がするが、幾ら苦手だったり不適応だったりしても少しは必ず出来る様になるもんだ。
体験的に手のそれも指を使う類がとても苦手な俺、練習だって苦手に対する意欲も足りないから疎らになってる。
それもあって未だ得手不得手自体に変化はないが、それでも下手でも少しは出来る様になって来た。
他の奏法とのレベル差もあってロクに実用性は無いけれど、腕や手首が疲れ切った時に代替手段として用いる位にはなれている。
人以上を目指せば才能も必要になるが普通迄なら練習だけで賄える、と経験豊富な従兄の先生達は何時も口にしてる。
半分受売りもう半分は体験からだが、練習方法の誤りのせいで出来ず仕舞いに終るんじゃあ美味しくない。
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