« Ludwig 3ply Reinforcement Drumの話し② | トップページ | COMODO Internet Security Premium 10 Update Error »

2018年5月 7日 (月)

コンプレッサー(リミッター)の話し④

実際のコンプの「かかり具合」がどんなものか、どちらかと云うと音響屋の立場から経験談を記して行こう。
楽器Ampの手前若しくはLoopにコンプがある時なら平気なのが、録ったのに掛けるとなると様相が異なって来る。
加えてPAでの使用では更に違って来るが、それも常設のとそうでないのでもまた違う。
只基本としては前で掛けるの程一般的には音色目的だけでも良く、後ろで掛けるの程音量目的を重点としなくてはならなくなる。

今回は未出のPAでのを先に書くが、そもそもは「機材の破損防止」が最優先。
なのでコンプってより実質はリミッタとなるが、アナログだけの昔は今と比べたら「コンプ」な処への注意が必要だった。
前述の通りアナログではAttack Time0秒が不可なので、人耳では間に合ってる様に聴こえても電気的には「ど頭は漏れ」ちゃってたりするのだ。
限界に近い領域で鳴らしてる場合にこれだと、運が悪けりゃ死ぬだけさになる。

これが下手に録音の方を先に経験してると厄介で、同じリミッティングでも正反対に注意しないとならなかった。
アナログ録音だってレベルオーバーさせりゃ歪むけれど、記録媒体に「明確な限界点」が無いので多少は許容出来たからだ。
つまり限界点到達前から既に歪み始めてるし
遠くたって僅かにと比率は変動するが厳密には無歪状態がそもそも無いからだ。

音色的には却って好ましい位だし実用上大きな問題は無かったが、電気的限界領域で運用してる場合はちっとも許して貰えない。
スピーカは音的部分はアナログだが電気的部分つまりVoice Coilは昔でも案外デジタルチックで、一瞬でも超えたら駄目な物はダメなのだ。
例え保護回路等が内臓されてても、「音切れ」等を起こしそうだとやっぱし駄目。

デジタル全盛の今だと寧ろ逆の傾向かも知れないが、録音時の癖でPAで掛けるとかなり危険だった。
音楽パフォーマンスであるからには音色は重要だが、チープで脆弱なPAでは確実に音を出し続けようとすると殆どそれだけで精一杯だった。
破損回避の次に大切なのがハウリング防止でこれは今もだけど、これも厳密には特定部限定だが音色を崩す事に他ならない。

今でも同じなのがこのハウリング考慮で、下手に小さい音からコンプが効くようにするのがアウト。
相対的にMic感度を上げたのと同じになるからで、Line入力のしかそう云う掛け方は困難だ。
なので歌や生太鼓の音圧感をやたらとコンプで得たくても、余程音場環境等にでも恵まれてないと不可能だ。

尤もコンプの基本は「生の再現」由来だから、爆音時なら
寧ろ無しで同等な音と言える筈。
しかし録音で「無茶振りコンプ」して『嘘サウンド』にしたのを誤魔化そうとして、PAを無用爆音化するのはどうにも食えんですわ。
幾ら凄くったって不快にさせんならそんなの音楽じゃなくて「音苦」でんがな
、そんなにマゾな客ばっかりなのかよってね

さて録音コンプへ移るけど、ここで音に対する「カラクリ」をご披露しましょう。
奏者や現場の技師には無添加純正サウンドがまず聴こえるので、それをコンプすれば「音圧マッチョ」になったと感じるですね。
どぅわがしかぁ~しぃ、お茶の間のお客はんは「無添加純正」は知らない。
コンプしててももし「足りない音」であったなら、結局は却下されちゃうだけなのだよ。
だから気にすべきはコンプ具合じゃなく、そもそもの出音なんだよねえ。

この第一関門を上手く切り抜けられたとして、Liveでボロ出りゃそれまでの時間稼ぎにしかならない。
更にこの第二関門を通過する為にサンプリングしといたのを使う手等もあるが、それだと「生度」は大暴落だ。
そうしてどんどんサイボーグ化する位なら、最初から打込みで演った方が同じかそれ以上に仕上げられそうだよね。

実際に過去オープンリール8トラック時代に、俺は自作曲の録音で太鼓をコンプ「レス」で完成品とした事があった。
自身のパフォーマンスは若干怪しかったが、これの太鼓は従兄のドラム教室の先生担当だった。
とても粒は揃ってるし力感も申し分無かったので、Mixdown迄行っても全然OKだった。

今以上の安物コンプでチャンネル数分も無かったので、Effectを掛ける為に「ピンポン」すれば元音の鮮度は劣化してしまう。
このピンポンとは所用トラックを再生してEffectを掛け、それを同じテープの別トラックへ同時に録音する事だ。
もし音源数以上にEffectorを所持してたら「掛け録り」するか、2ChのDrum Mixとして一旦マスタレコーダで録る手もある。

だが何れにしても少なくとも専門家になら、明確に分かる音の劣化があった。
今のデジタル録音のをデジタルEffectだったら、必要部分だけの数値書換えだけだから本当に無劣化で済む。
で戻すけどこの時の彼の「鮮度」がとても素晴らしく、俺にとってその曲ではそこが肝と感じた。
どんな高級な醤油やワサビを持って来たって、魚が古けりゃ刺身は無理って訳だ。

この時もう1曲従兄の曲も録ってて、そっちにはコンプが掛ってる。
俺曲ではマルチMic要望を出してそうして貰ったが、これでは彼要望でMicは3点としたのでMTRのトラックに空きもまだあった。
タイミングとしては「Drumの」2Ch Mixへ落す時に掛けたので、「コンプの為の劣化」は存在しない。
この2曲はBandとしてのレパートリーなので何時も続けて聴く状態となってたが、録音方式による差以外に相違点は一切出なかったよ。

« Ludwig 3ply Reinforcement Drumの話し② | トップページ | COMODO Internet Security Premium 10 Update Error »

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

ドラム」カテゴリの記事

PA」カテゴリの記事

ギター」カテゴリの記事

電気」カテゴリの記事

ベース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: コンプレッサー(リミッター)の話し④:

« Ludwig 3ply Reinforcement Drumの話し② | トップページ | COMODO Internet Security Premium 10 Update Error »

フォト
2023年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
無料ブログはココログ