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2018年5月 2日 (水)

コンプレッサー(リミッター)の話し③

今度は各パラメータの設定の話しで、俺が未だ迷うのはAttack Timeの設定だ。
理屈を熟知して経験も長年積んでは来たが、まだ自分としての定番設定が定められずにいる。
斬新さや現代性を重んじると短めが良いが、音色面では案外長めの方が「コンプしたらしさ」が出るからだ。
人知れず掛けるには短めが良いがアナログ機ではデジタル程リニアで確実では無いので、それだったらマスタリング段階でのデジタルだけでも良い様な気もして来る。

元来
音色にはコンプ・音量にはリミッタ使用で、裏技利用は数多だがマトモなのだったら一応機器の名称が想定用途になっている。
かつては性能・価格の都合で庶民には使い分けが普通だったが、アナログも低廉化・高性能化で曖昧になって来た。
しかしリミッタ用途に関しては何と言ってもデジタルは有利で、音色は兎も角(失礼!)電気的には本当に正直に働いてくれる。

ここでの「音色は兎も角」は逆に云えば味が付かない・付き難い事で、純粋に音量だけを扱うならデジタルは最適だ。
お題のAttack Timeもソフト次第だが、アナログでは不可能な0秒だってデジタルなら難なくこなせてしまう。
だが逆に性能は程々で味が欲しい(ある意味リミッタよりコンプ)となると、前回同様綿密にシミュレートして高価になったデジタルのよりイイ加減なアナログの方が手っ取り早い。

そこで圧縮量や反応の速さより味となると、アナログのアナクロ度の高いのの出番となる。
Release Timeについては場合にもよるとしても、基本的に「最短音符間隔」を一つの目安にするのが望ましい。
これはもし単発時に物足りなくても、連続音時に余計な変化を出さない為には音の最短間隔より短くしとく必要があるからだ。

デジタルでは次の音が入ったと同時に、瞬時にEffect特性が初期化リセットされる。
しかしアナログでは音より速い電気指令と云っても
0秒よりは必ず遅くなるので、直前の音への指令の「残り」があればアタック部分には僅かでも影響が出てしまうのだ。
デジタルだって同じ電気なのに何で
0秒かっつうと、実は人耳にバレない程度にわざと音が出るのを遅らせている。

それはコンプに限らず通常全ての音に対してそうされてるが、その「少しの間」の内に色々な作業を全て済ませてしまう為の措置だ。
PC等で音を扱ってたらご存知の「レイテンシー」ってのがそれで、デジタルでは方式の都合上「作業量=作業時間」と為らざるを得ないからだ。
つまり音の量や種類が少なくても多くてもその出て来るタイミングが違ってはオカシイので、回避させるのにこの隠れ技を使っている。
だから
AttackもReleaseも0秒設定として、本当に過大音量だけを圧縮させるなんてのならデジタルだけが可能と云う訳だ。

Threshold Levelについては、欲しい「掛りの深さ」によって自動的に定まって来る。
但し俺嫌悪のJ-POPみたいな「小さいとか弱い音にも無駄な音圧」にならない程度にしとくのがお勧めで、これを「やらかす」と強弱が減るばかりか妙に聴き疲れする「みみっちい」感じの音になるだけで御座候。
最低でもその音源中のピアニシモ時にはコンプが殆ど掛らない位に留めておく方が、掛った時と良い意味で差別化されてより効果的だと思うんだよねぇ。

Ratioはアナログ機ではデジタルより通常選択巾が狭くなるので、どちらかと云うと歪みの都合に合わせる事が多くなるだろう。
ここでの歪みはGuitarのそれと同様なのの他に「ゆがみ」も含んでて、音が割れなくても無用な変化が出た場合のを指している。
真空管式と比べると石式(半導体)の通常使用時の歪は判り難いが、余程巧く歪ませない限りはLow-Fi化させるだけだ。

ここで歴史と経緯をみてみると、最初は記録媒体のダイナミックレンジ不足を補填する為の
Limitingだ。
音が割れて判別不能になるのを避けたもので、Beatles位以前は機器としてはリミッタしか存在しない。
Beatlesですら用途はコンプでも機器はリミッタで、
Fairchild 670のカタログ画像にはStereo Limiterとだけ表記されている。

誰も特には語って無いので不確かではあるけれど、「コンプ以前」のでも上記理由で多くはリミッティングが施されてる筈だ。
万一レコードやテープに掛って無くても放送時に必ず掛けられるので、生以外では掛ったのを何時もずっと聴かされてた事になる。
そしてここが最重要点になるんだがBeatlesにしても目的は飽く迄、「家庭でも生同然の迫力」を求めたに過ぎない処。

録音物が生よりパワフルじゃいけない法律等無いけれど、「気に入ったからLiveへ行ってみたら実際はショボかった」なんて惨めじゃないですか。
しかも前述の通り数字合わせだけやったって、元の出音の影響は最後まで何処かしらには残るんだ。
必要不十分な演奏だと基音が弱くなり過ぎたり、強く演奏した時にだけ出て来る倍音が欠けて来る。

これは私的思想かも知れないが例え最終的にはEffect満載サウンドとするにしても、録音時はなるべく裸でも耐え得るのが良いと思っている。
余計な装飾は少ない程「源の出音」の確認がし易い訳で、その方が確実にEffectのノリも良くなる。
また
「後掛け」だとEffect調整の時間や選択が自由になるので、奏者自体がネ申レベルの「使い手」でも無い限りはクウォリティに歴然とした差が出る筈だ。

コンプの場合そもそもの目的が上記に従うと「生時不要」となるから、広大なダイナミックレンジのあるデジタル録音なら余計後掛け一択なのだ。
これらも含めて考察すると「コンプが無い」状態で達者な演奏者程、結局掛けても良い音が出せるのだ。
音響屋ならまだしも少しでも奏者なんだったら、元音を向上させるのが「良いコンプ」になる近道なのだ。

俺みたいなスケベなオッサンになって来ると、どうしたって巧妙に仕込まれた胸パットのお姉さんにだってつい尻尾を振ってしまいがち。
でも流石に本職でそうなるのだけは避けたいし、只でさえ老い等とも戦わなきゃなんないのに知らぬ間に非力になってたりするのはご免なのだ。

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