Bass Drum Pedalの踏み方⑦必読・必見「スライド奏法」
これまでスライド奏法に道具選びも大切を書いたが、今回は足のフォームについてだ。
ここで大事な注意点があるんだが、それは一口にスライド奏法と言っても大まかに2種類ある点だ。
要は大元が足首ダブルから派生したのなのか、膝脚利用の俺言い「純スライド」なのかの判別が必要なのだ。
それ次第で演り易いフォームがかなり乖離している。
と威勢良く唱えといて腰砕けだが、前回の「脚の姿勢」について補足ざんす。
曲によって「座り直す」のが不可な場合もあるので、「1つの座り方」(位置)で様々な踏み方が可能な状態を考えてみよう。
脚の重さが掛る理想は脛が垂直ではあるが前出の関節角度の件等も加味すると、実質的には足首が少しだけ膝より前にある位が基準位置だろう。
フットボードの一番手前を使う時でも余計な違和感を避けるには、膝が足首より前に出ない方が演り易いと思う。
でお題へ戻るが簡単な見分け方としては、カカトが上がりっ放しかどうかがポイントで着地しないのが足首由来系だ。
これの土台は足首ダブルで必要な高速を得る為に、それに少しスライドを加えたと考えて良い。
長所は普段からカカトを上げて踏んでたり、足首ダブルの方が得意な人にはやり易い。
また脚の様々な部分を総動員する代わり、各部の動作は相対的にかなり小さくて済む。
短所は速度・パワーの絶対値が純スライドに明確に劣る処で、この方法で連続スライドを演ってる人も俺は知らない。
また強グリップの履物・フットボードでも実施自体に支障はないが、うっかりすると履物とフットボードが擦れて異音を発する懸念が高い。
これは接触面が狭く角度も付いてるので、「接地圧」がどうしても高目となるからだ。
足首系・膝系の両方を同じ軽負担で演れる様になった身からすると、「意識的カカト上げ」は負荷が重いだけで利用価値が無くなっている。
ここでカカト上げ踏みの方がパワフルと多くの人が勘違いしてるが、これに有効性があるとしたら前出俺言い「突っ張り棒効果」程度に限られるだろう。
第1は音色の印象のせいで第2はペダルバネがその奏者の適正に対し実は強過ぎてて、それを邪道な方法で補おうとしている様に見受けられる。
カカト上げっ放しに慣れているととても気付き難いだろうが、完全脱力では上げ続けていられない。
これの程度が軽いにせよ、ダブルを踏む時どうなるのか辿ってみよう。
「カカト上げ用力」を脚上げと同時位に一旦抜いて、短時間の内にもう一度「力を入れ直す」となってるでしょう。
これって往って還って往ってになってる訳で、完全脱力から唯瞬時に力を込める方が合理的だし余力も充分になるのは自明の理で御座居。
そして何よりこの差が限界最高速となれば如実に反映し、それは西洋太鼓の場合「速度反応式」なんで最大音量にも関係するんだよね。
そもそも強く「踏み付ける」にしても「踏む脚の重さ」は掛けられるが、意識と違って「圧力を力によってフットボードに掛ける」のは不可能なのだ。
真にそれを望むなら「腕で天井を押える」でもしないと、「圧力」を支える所が無いんだからさ。
つまり「力を入れる」と云っても高速化の為であって、割合的に結構な重さのある脚を素早く動作させるのに必要なだけだ。
フットボードとの位置関係上の問題もありそうだが、既にかなりの労力を要してるのも連続スライドへ行けないのと無関係ではあるまい。
だからって俺は必ずしも否定してはいなくて、その人がしたい演奏に充分なのならこの方法を選択するのに何の問題も無いです。
強いて言うならお疲れさんのご苦労さんって位で、何とかカカトを上げ続けなくても所望の音が得られる様になれれば多分その方が楽になれるでしょうけれど。
ここでお馴染みプチ脱線シリーズだが、バスドラの押付け止めに本来どれ位の力が要るのかだ。
音程が低いので皮の振幅(震え巾)は決して小さくはないが、それでもベースの低音弦等と比べたらたかが知れてるのだ。
バスドラは大抵「中心部」へビータで脚でだが、ベースでこの為に一々12フレット(弦の真ん中)の所でミュートしてるのなんか見た事無いんだけど。
現実的には多くの場合手がどっちも「弦の両端寄り」にある事が多く、真ん中はまず大抵は無理なんだ。
それで仕方無く弾く方ので抑えるのと同時に、押さえてる方も浮かしたりと苦心惨憺してるのだ。
この浮かすは手と弦はしっかり触れてるが、弦とフレット(フレットレスなら指板)は確実に離さなきゃアカンと中々加減も要する。
それからしたらバスドラ何ぞいとも簡単なもんで、強いて挙げればビータは指より硬いから「跳ね易い」処か。
俺もSpeedking常用前は一時期「止め」に下手に拘って、脚・足まで硬直させたら却ってびり付きが出たって失敗をやらかしてた。
手のバズロールの時「わざと強く押付け」るので細かくバウンドさせてるが、足でだって押付けが強過ぎるとやはり「バズる」のであった。
これの回避にも「ベタ足」は大変有効で、フットボードがSpeedking等でヒール部連動だと尚更だ。
フットボードに対する向きがどっちだろうと「動かなきゃ音は出ない」ので、案外「カカト側」が押さえられるのも活きてるみたいだ。
このタイプじゃない場合でも足裏全体と広範囲で受けられる程柔らかくなり、「余力の吸収」効率が上がる様だ。
そこで俺言い「カカト降ろし」を最近従兄が連呼してる「閉じた柔らかい手」に倣えば、差し詰め「降りた柔らかい脚」と云えよう。
「閉じた柔らかい手」については専門家たるStudioliteのTwitterを見て貰うとして、現時点の俺が感じた最大の利点はバチを落し難くなったと感じている。
要はバチは自由にしてやってるが野放しにはしてないので、必要時に即操縦可能だからなんだろう。
同じ様に足についても足首が自由であれる程、それを「操縦」の為にもっと使える様になるんだよね。
足首ダブル系の場合「足首で鳴らす時」のパワー・速度の向上が見込めて、脚で鳴らすのとの音量差をほぼ解消させられる。
これと脚・足負荷の軽減によって、初めて「連続」も可能になって来る。
更にこれの限界領域に近づいた場合、ホントに「爪先とカカト」で踏む意識にしないと演れなくなる位なのだ。
純スライドの場合「脚は蹴るだけ」でしかも「1回こっきり」なので、1打目後に「自然に爪先が滑る感じ」になってくんなきゃ困る。
もし動作数が増えればその分時間だって掛るから、肝心な「1動作で2音」が無効化して最高速度が低下しちまう。
意識としては先述「足指に多少力を入れ」で「引っ掛かり」の加減をしてて、足首は寧ろ「引っ掛かったのを抜く」方等を担っていると云える。
物理的には蹴る為に足が「空中にある」から「重さが掛ってない」のと、足甲とフットボードの「角度変化」等で抜けている。
であるから足首に余計な力が入ってると、折角移動してくれてるフットボードに恐らく爪先が付いて行っちゃうだろう。
こうなると角度は鋭角になるし摩擦は減らないしで滑らなくて困るが、最大の難点はフットボードが戻らないからそもそも2打目へ行けない。
詳細では1打目に入る足首力として足甲位置の維持には僅かに使われてそうだが、奏者意識は飽く迄爪先のみである。
鉄砲で標的を撃つのに引き金の指への力何かほぼ無意識で、銃の向きとそれを維持するのに全力を尽くすのと似てる。
足甲とフットボードの実際の角度は履物やペダル等の兼合いで必ずしも固定では無いが、少なくともかなり浅目じゃないと突っかかる。
<つづく>
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