エレキのアンプの実際の音量
当ブログではスピーカの能率にご注目とうたって来てるが、電気楽器のAmpにどの様な影響を与えているか考察してみよう。
演奏者等の間ではW数とブランドでその最大音量を推定するの一般的だが、実際はそれよりもスピーカの能率の方が影響力が大きいのだ。
これを極論するとAmp出力がもし何万Wあったとしても、スピーカを繋がなけりゃ音量ゼロですからね。
Ampのブランド毎に方向性はある程度はあるから、確かに何々社のは音の大きいのが多いとかはありますよ。
でも音量感は音色等の影響だってあるから、必ずしもAmp単体での感覚と実際の全てが一致してはいない。
しかも各楽器とその奏者・使われ方によって、音量を要する周波数帯域も相違してるんです。
以前「実際的PAの話し①(何Wあれば聴こえる!?編)」に記した通り、スピーカユニット単体の能率と併せて数によって全体の能率も変わる。
数の部分だけに着目すると、実際の最大音量の大きさとリンクしてると言える。
またエンクロージャ(スピーカが入ってる箱)のサイズも低音の音量には大いに影響があり、これも正比例の関係にある。
これだけで済めば話しは簡単なんだが、そのスピーカの特徴が奏者の欲しい部分と一致しない事も多々出て来る。
またそもそも「スピーカ能率」等が市民権を得られて無いが如く、Ampのカタログ等に記載が無かったりもする。
国産の一部の等スピーカのメーカーや型番すら非公開のもあったりして、それだと苦労を厭わなくても最早調べようも無いと云う酷い有様。
俺がそれを残念に思うのは、それではマトモなプロに相手にされなさそうだからなのだ。
運良く何かのキッカケで世界的名声を得られる事があっても、偶然だけで定評が得られる程甘くはない。
楽に作ってテキトーに売るつもりか知らないが、それでは何時まで経っても二流止まりだろう。
テレビもそうだったがエレキギターの発明・開発にしても、実は日本もアメリカとほぼ同時進行していた。(何とレーダーすら!)
第二次大戦の悪影響と周囲の理解不足で半ば無かった事にされてるが、勿体無い話しだ。
こんな道具の段階から差があっては何時までも「後追い」になっちまって、言語のせいで日本の音楽が海外で売れない等と誤解してる場合ではないだろう。
さて話しを戻してエレキBassを例にとると、単体で大音量でも低域が少な目なのがアンサンブルに入るとどうなるか?。
大抵はどんなにBrightな音のBassでもCymbal等よりは高域の量が少ないので、Full Crashされればその影に隠れてしまうだろう。
結果的に単体だと凄いうるさいのに、アンサンブル内だと案外聴こえないねとなったりするのだ。
ここからAmp自体の具体例に入るが、大出力黎明期だとFenderとAmpegが有名だ。
理由は簡単「低音出るから」で、運ぶのが大変だがエンクロージャを思い切って大きくしたのが第1だろう。
MarshallとFender Bassmanのスピーカは1箱につき同サイズ30cmで同数4コ、にも拘らずエンクロージャの大きさは全く違う。
絶対的最大音量では物量作戦のМ社に軍配が上がるが、同一エンクロージャ方式の「密閉式」では箱容量が大きい方が低い音域まで出せるのだ。
そして箱容量縮小の為に考案されたバスレフ式であっても、最低必要容量が少なくても済むだけで傾向自体は一緒なのである。
だから「運べる低音の出るの」とするには、1ユニットにつき1箱とするのが有力候補になる。
俺は低音部の好みではBassmanやAccoustic等も捨て難いのだが高価で重過ぎるので、現用がMusicman HD‐130+115RH‐65×2とそのタイプのになっている。
次にギター用で、英国系とアメリカ系の比較へ行ってみよう。
「エレキ使用の大衆音楽」として最初に大音響が必要になったのはBeatlesだと思うが、彼らは初めは英国庶民だったのでVOX使用だった。(舶来は高価)
その中でも今でも有名なのがVOX AC-30で出力33Wだが、やはり出音は小さかったのだろうか!?。
確かにMarshallの3段積には劣るけれど答えは×で、それはスピーカに大変高能率なのが載ってるからだ。(現行品だと一番高いのだけになったが)
拙ブログで「Ringo踏み」について触れてるが、我々の慣れてるイメージの33WのAmpでそれをやったらGuitar類は殆ど聴こえなくなるだろう。
しかし過去記録動画(録音設備がとてもプア=個別Micが無い)では、決して太鼓の音が大きくは無い。
つまり「並のAmp」より少なくとも倍の音量は出てる筈で、軽く歪んでも良ければ(実際リードパート等でそうなってたが)それより更に大きな音が出てた訳だ。
現在ではMarshall・Fender等でも能率高めが載ってるのがあるが、元の手法はM社はスピーカの数で・F社はAmpの出力自体を増強して音量増加を図っていた。
V社は音量増強の必然が他より早く訪れたので、コストより何より「兎に角聴こえる」を優先してた様に見える。
歴史ある国では古くからある舞台ともなると電源容量も少ないので最初はスピーカ能率を、それでも足りなくなってからAmp出力をと云う順番をとった様だ。
だから元の製造所(Celestion)は一緒でも初期のM社搭載品は並の能率ので、V社は高コストでも最高能率のが選択されている。
それでJTM-45は基本4コ・AC-50のそれが2コなのも、大体同W数で同音量が得られる様にした結果と考えられる。
1959が4×2=8・AC-100は高域用2コのホーンを除くと4コと、やはり同比率となっている。
現に調べてみるとV社御用達で有名なアルニコ磁石仕様のの能率は100dBで、M社選択の「普通のCelestion」は97dBとなっている。(単体音量差は2倍)
只低音の量に関しては「振動板の面積が広くなる程出せる」ので、スピーカとしてはM社のの方が出ると云う違いはある。
尤もM社のAmpの音作りはキンキンの高音中心なので、実際は低域と云うより中域が太くなった様な感じと思った方が良いのだろう。
自宅PAの件で大失敗!?しといて云うのも何だけど、宅には45WのギターAmpしかないが、それと前出のBass Amp(130W)で現実には丁度バランスしている。
昔専門学校生時代に契約としては普通に部屋を借りただけなのに大家さんに「下宿」と言われたが、その人はプロのBig Band Jazz屋あがりのスピーカ屋(開発・製造)の社長の大菅 保氏だった。
しかも「強制弟子入り」って俺Rockなのにも問答無用で、今では貴重で有難い経験だが当時は大迷惑…は置いといてと。
当時のある日この専門家のオッサンに俺のFender Bandmaster Reverbのスピーカ箱の裏蓋を開けて見せろと言われ、面倒臭いけど部屋を追出されちゃ敵わないから仕方無く見せた事があった。
師曰く「オイお前はラッキーだ、Cerwin Vegaって良いのが入ってるぞ」で初めてこのメーカーを知り、「単体で多分耐入力100W以上・能率も100dB以上」と教わる。
Fenderってば一部がJBL以外はJensenやEminenceばかりと思ってたけど、業務用タイプだと最初からこう云うのが載ってるのもあるんだと学んだ。
そうは言われても耐入力に関してはOEMでは特別仕様で低い可能性もあるので、おっかないから元からのHead以外は未だ繋いでいない。
因みにこの45Wは117V仕様なので100Vのままでは33W位に減って、昇圧トランスを使う以前は「激しい系」時は流石に少し音量不足だった。
更に因みにこの時点では前述の様な法則を知らなかったから、これの箱は場所は取られるしなるべく運びたくない様な形状である。
結果論に過ぎないが要するに100V使用時で丁度AC‐30と同じ位らしく、経験的には歌メインのを演るのなら寧ろ丁度良いと感じられる音量だった。
前出のに倣うと並のAmp比で倍音量位となるので、並の100W並の音量に実際はなってるからこれでいいのだ。
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