Ludwig 3ply Reinforcement Drumの話し①
宅のLudwigは強打すると音が歪みます、嘘臭いけどこれホント。
「大音量で耳で歪んでんじゃないの?」と思うだろうけど左に非ず、チョットだけどそういう音色に変化するんだ。
歪ってもElectric Guitarみたいなのじゃないから分り難いけど、この太鼓の歪感は電気的に合成するのが困難なんだ。
生の太鼓って意図しなくても恐ろしく強弱が付いちゃうから、すぐに歪足りなくなったり歪み過ぎて違う音になっちまう。
極端に云えばまるで1音毎に極軽いOverdriveとFuzzを切替えてるみたいになって、全然「美味しい領域」が維持出来ない。
例え音響処理を綿密に施した後で歪ませるにしても、少なくとも自分は未だ成功した試しが無い。
昔現行セット入手前に何とかBeatlesのThe Endの太鼓(特にTom)みたいな音を出そうと色々捏ね繰り回してみたけれど、どうやっても「肝心な雰囲気」だけはちっとも近付けなかった。
それで本家使用のFairchild 670ってコンプレッサのせいじゃないかと思い込み、どうせ買えないからもういいやになっていた。
今にして分かったのは、この本来は放送送信用のの影響も当然あった。
んだけどもそれは主に音圧感の部分に対してであって、基本的な音色部分には殆ど作用してないみたいなのだ。
考えてもみれば用途的にはちっとも楽器用Effectorじゃないんだから当たり前の話しで、当時の自分がもう少し頭を使えてたなら気付けてそうなもんだ。
そして過去に記した如く偶然運良く手に入れて早速試奏してみたが、過去の経緯もあって先ずはThe Endのドラムソロの所を演ってみた。
!!!!!!!!ぬぬぬぬぬーっ、何だ何もしなくても只叩けば「あの音」になるんかい。
てっきり真空管のミキサやコンプで歪ませてたんだとずっと思ってたのに、出ましたバカの真骨頂だわさ。
今だって資金の関係もあって経験値はちっとも高くは無いけど、どうやら胴の厚いのだとこうならないらしいのは見えて来た。
但し従兄のTAMAの高級品みたいにどんなチューニングにしても常に目一杯鳴り響いたりとかは、胴が薄いと無理な相談だった。
小奇麗で精緻な音とは無縁なので好みが別れるが、一種人間臭さみたいなのでは勝ってると感じた。
自分の場合過去は叩けないから機械太鼓にしてただけだが、それでもドラムマシンの扱いにはお陰で変な自信を持っている。
叩けないのを何とか再現しようと躍起になってたんだから、変な裏技でも何でもござれだ。
そのせいかいつの間にか生の太鼓には「生らしさ第一」になってて、どうも叩き方での音色等の変化が少ないのへは興味が湧かなくなった。
それとこの「生歪み」はRock等のうるさっぽさを演出するのにうってつけで、如何にも目一杯演ってますな感じになる。
尤も実際ほぼ目一杯叩かないとこの音は出ないんだけど、それでも人が苦労してるのに綺麗過ぎる音しか出ないよりは報われる感じがするのだ。
厚胴の高級器がどんな演奏にも負けないの自体は優秀だが、場合によっては音色変化が付け難いとも感じられる。
最高の環境・奏者のを生で聴くなら良いけれど、庶民の普段の環境では音量の大小巾の制限がシビアになる。
となると「高級過ぎる器」の音の大きい方か小さい方、或はその両側のかなりが無効になって実際の表現巾は狭まってしまうのだ。
楽器は飽く迄お好み次第だけれど、この様な面での実用性を考えると「ある程度不完全」な方が却って操り易そうだ。
もう少し本件(The EndのTomみたいな音になる)のデータ的な事を挙げて行くと、
①ミュートしない程そうなり
②Micではその位置がOn Offの中間位が一番ニュアンスが強くなる様だった。
筆者は所謂○○サウンドマニアじゃないので厳密じゃないけれど、少なくとも一番は「どれのせい」って部分に大きな誤りは無いと思う。
現代一般の6~8Plyシェルとの相違点を、簡単に纏めて記す。
①音の柔らかさ・耳馴染みの良さ・音色変化の出し易さでは旧式が、
②極限環境下での音の通り・安定度・どんなチューニングでも鳴る等の点では新式に軍配が上がるだろう。
なので周囲の音色次第では音量等に自信が持てないと、明瞭度を保つのに苦労させられそうだ。
Acoustic Guitarなら対旧式比で新式はエレアコ、Bassなら旧式がAmp録りで新式がLine録りみたいな感じ。
なので最近のJazz太鼓屋さん等はどうしてるのか知らないが、アンサンブルが生楽器中心だと新式では浮足立ちそうだ。
上手いがあまりスイングしないドラマーだと、一瞬ドラムマシンで演ってるのかみたいになりそう。
もし1台のドラムセットだけでとすると、現代的ポピュラーしか演らないなら新式のの方が断然楽で確実だと思う。
でも時間軸やジャンルに節操の無い俺みたいなのには、旧式のじゃないと困るのだ。
旧式=不完全・原始的=未開発なので、こっちの料理次第で多少は今っぽい音も出せる筈だ。
しかし既に完成してしまっている新式では安定の代償で、「弄れる範囲」はどうしたって狭められるのは仕方無いし当然なのだ。
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