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2018年3月30日 (金)

実際的PAの話し②(某国市民より酷い境遇のPAスピーカ)

PAスピーカに特別な愛情を抱いてる訳じゃないが、可哀想と云えば今なお余りにもな境遇に置かれている。
電子ドラムがある今なのに、24インチのドラムセットでも滅多に邪魔者扱いされない。
ギターアンプMarshallのスピーカは大昔のままのサイズなのに、音色を理由に
邪魔者扱いされない。
PA
スピーカだって同じスピーカなのに楽器じゃないせいか、こっちだけはやたらと邪魔者扱いと凄い差別だ。

PAは無くても演奏自体は出来るから楽器とは違うけど、楽器の音を「そのまま出す」には「同じ位」が必要な筈なんだ。
しかも生太鼓のバスドラより
PAからの音は「録音物」みたいなのが要求されがちで、元のより「盛りたい」のだから更に大きくなったって当然な筈だ。
でも実際は誰からもそれを気付かれず、「もっと端っこ歩きなさいよ」となってる。

それ自体は大多数の要望と受け入れたとして、その結果何が起こるか「シワ寄せ」が生じるかは知っておいた方が良い。
ズバリ一番影響が出るのが前回記した「能率」で、何の事は無い俺自身が過去に大失敗経験をした。
クドイですが音響を専門的に学んで、成績だってブッチギリで…。
しかし学問の成績と実績は必ずしも結びついてはくれず、俺もアホだが教育の仕方や内容にだって問題…。

気持ちを切替え具体的に語ると、「兎小屋でバンド演奏」しようとしたのが原因だと思い込みたい。
防音(遮音)については専門業者と知恵を絞りあって何とか達成、但しそれで部屋の広さが外見は14畳が中は7畳と半分になった。
それでこれから買う
PA極小化して凌ごうとして、特にドラムのモニタに工夫した積りだった。

ドラムセットは何時でもすぐ叩ける様にしときたいが、それには部屋の隅等にしとかないと何かと邪魔になりそうだ。
なるべく音量を稼ぎたいので近くにスピーカを持って来たいが、「隅っこ」だから空間が僅少だ。
それで小型のなら「隙間」に配置出来、音圧不足を数で補おうとしたのだ。
俺は昔の人だから
PAは歌主体で良いので、これも小型化しても問題無い。
で、やってみたら殆ど聴こえねえでやんの。😢

でもAmpは拘りの真空管の130W x2としたからエネルギーの「元」は足りてる筈、
楽器Ampで出力最大のがBass用で丁度130Wなんだから
スピーカも1
chは超小型 x2だけどドラマーの手が届きそうな近さだし、太鼓頭上空間を利用して2chはJBLのまともな業務用を奮発したんでっせ。
暫くは苦悩したも見込みが立たず、仕方無く色々「誠実に」計算をしてみた。
印象とは恐ろしいものでWに注意が行き過ぎてて、能率
dBを軽視してたのが原因だったのです。

高能率業務用PAスピーカだけど楽器用と比べたら、実は能率が1/2~
1/3しか無かったのだ。
数値的には超小型:90dB・業務用:98dBに対し、楽器用のは大体102dB。
実況は98dBので叩くと聴こえず、90dBのに至っては叩かなくても「軽く弾かれれば」もう全然分からなかった。
前回の図と見比べて貰えば「当り前」がご理解頂けますが、当時のあたしゃご理解頂けてませんでしたよっと。

また楽器用はある程度楽器の音域に特化されてるので、通常使用時の能率もほぼ額面通りだ。
だがPA用は歌の音域でなら確かに
カタログ通りだが、それより低音になる程どんどん低下してる。
宅では
歌主体だがそれでもドラムマシンを鳴らす位は時々あったから、マシンのバスドラがまあまあ普通に聴き取れる位迄EQで低音をブーストさせていた。

ここからがミソなんだけど「こっちの操作は増やした」だが、PA君側からすると「増やしてない所が減った」になるのだ。
Ampの最大出力は変わらないので、出せる音量は「増やした所」が歪む手前迄になる。
結果として低音は出る様になったが、「能率の良い音域」の音量は下がっていたのだ。

生楽器をエレキ用のAmpに繋いだ音で我慢出来るなら別だが、今時はそれではキツそうで俺でもそうなって来た。
FolkやCountryの人ならアコギ用Ampの用意もしそうだし、鍵盤だって全部のレパートリーに最初から入ってるならそれ用Ampも用意する。
でもエレキ主体のRockだと時々だし、録音では生や電子楽器に
Ampは必須ではない。
そうなると歌主体でも楽器対応が無いと駄目で、その分も多く「サバ読み」しなきゃいけなくなるのである。

最終的に幾ら球キチガイでも超高出力「PA用」真空管Ampがそもそも無いのと、スピーカ最大入力には大量に余裕があったので球を諦めて石の510Wのを追加購入してそれで鳴らしている。
初代Ampは録音用に自作した球プリ+自作スピーカと組んで、電気楽器用に転用した。
小型のはどうしても聴こえないのでこれも別用途へ転用、今時
PAがモノラルなのは何だが「男気の単発!?」で賄っている。

今でも感じるのはたかが個人宅の
PA如きに510Wも要るんかいで、実情を知らない人が聴いたら「このオッサン来たら知らんぷりしよう」と思われそうだ。
しかし実際に出てる音量は昔のRichie  Blackmoreのとかと違って、ドラムを叩かれても聴こえる程度でしかないんだけどね。
もしPAスピーカが必要性に対して無理のない大きさになるのを認めれば、こんな事態は発生しないで済む処なのだ。

平均身長170cmの人用の吊革にチビ(俺も)が必死に背伸びしてつかまってる様なもので、かくして現代PAスピーカの多くは可哀想な状況なのだ。

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