実際的PAの話し②(某国市民より酷い境遇のPAスピーカ)
PAスピーカに特別な愛情を抱いてる訳じゃないが、可哀想と云えば今なお余りにもな境遇に置かれている。
電子ドラムがある今なのに、24インチのドラムセットでも滅多に邪魔者扱いされない。
ギターアンプMarshallのスピーカは大昔のままのサイズなのに、音色を理由に邪魔者扱いされない。
PAスピーカだって同じスピーカなのに楽器じゃないせいか、こっちだけはやたらと邪魔者扱いと凄い差別だ。
PAは無くても演奏自体は出来るから楽器とは違うけど、楽器の音を「そのまま出す」には「同じ位」が必要な筈なんだ。
しかも生太鼓のバスドラよりPAからの音は「録音物」みたいなのが要求されがちで、元のより「盛りたい」のだから更に大きくなったって当然な筈だ。
でも実際は誰からもそれを気付かれず、「もっと端っこ歩きなさいよ」となってる。
それ自体は大多数の要望と受け入れたとして、その結果何が起こるか「シワ寄せ」が生じるかは知っておいた方が良い。
ズバリ一番影響が出るのが前回記した「能率」で、何の事は無い俺自身が過去に大失敗経験をした。
クドイですが音響を専門的に学んで、成績だってブッチギリで…。
しかし学問の成績と実績は必ずしも結びついてはくれず、俺もアホだが教育の仕方や内容にだって問題…。
気持ちを切替え具体的に語ると、「兎小屋でバンド演奏」しようとしたのが原因だと思い込みたい。
防音(遮音)については専門業者と知恵を絞りあって何とか達成、但しそれで部屋の広さが外見は14畳が中は7畳と半分になった。
それでこれから買うPAを極小化して凌ごうとして、特にドラムのモニタに工夫した積りだった。
ドラムセットは何時でもすぐ叩ける様にしときたいが、それには部屋の隅等にしとかないと何かと邪魔になりそうだ。
なるべく音量を稼ぎたいので近くにスピーカを持って来たいが、「隅っこ」だから空間が僅少だ。
それで小型のなら「隙間」に配置出来、音圧不足を数で補おうとしたのだ。
俺は昔の人だからPAは歌主体で良いので、これも小型化しても問題無い。
で、やってみたら殆ど聴こえねえでやんの。😢
でもAmpは拘りの真空管の130W x2としたからエネルギーの「元」は足りてる筈、楽器Ampで出力最大のがBass用で丁度130Wなんだから。
スピーカも1chは超小型 x2だけどドラマーの手が届きそうな近さだし、太鼓頭上空間を利用して2chはJBLのまともな業務用を奮発したんでっせ。
暫くは苦悩したも見込みが立たず、仕方無く色々「誠実に」計算をしてみた。
印象とは恐ろしいものでWに注意が行き過ぎてて、能率dBを軽視してたのが原因だったのです。
高能率業務用PAスピーカだけど楽器用と比べたら、実は能率が1/2~1/3しか無かったのだ。
数値的には超小型:90dB・業務用:98dBに対し、楽器用のは大体102dB。
実況は98dBので叩くと聴こえず、90dBのに至っては叩かなくても「軽く弾かれれば」もう全然分からなかった。
前回の図と見比べて貰えば「当り前」がご理解頂けますが、当時のあたしゃご理解頂けてませんでしたよっと。
また楽器用はある程度楽器の音域に特化されてるので、通常使用時の能率もほぼ額面通りだ。
だがPA用は歌の音域でなら確かにカタログ通りだが、それより低音になる程どんどん低下してる。
宅では歌主体だがそれでもドラムマシンを鳴らす位は時々あったから、マシンのバスドラがまあまあ普通に聴き取れる位迄EQで低音をブーストさせていた。
ここからがミソなんだけど「こっちの操作は増やした」だが、PA君側からすると「増やしてない所が減った」になるのだ。
Ampの最大出力は変わらないので、出せる音量は「増やした所」が歪む手前迄になる。
結果として低音は出る様になったが、「能率の良い音域」の音量は下がっていたのだ。
生楽器をエレキ用のAmpに繋いだ音で我慢出来るなら別だが、今時はそれではキツそうで俺でもそうなって来た。
FolkやCountryの人ならアコギ用Ampの用意もしそうだし、鍵盤だって全部のレパートリーに最初から入ってるならそれ用Ampも用意する。
でもエレキ主体のRockだと時々だし、録音では生や電子楽器にAmpは必須ではない。
そうなると歌主体でも楽器対応が無いと駄目で、その分も多く「サバ読み」しなきゃいけなくなるのである。
最終的に幾ら球キチガイでも超高出力「PA用」真空管Ampがそもそも無いのと、スピーカ最大入力には大量に余裕があったので球を諦めて石の510Wのを追加購入してそれで鳴らしている。
初代Ampは録音用に自作した球プリ+自作スピーカと組んで、電気楽器用に転用した。
小型のはどうしても聴こえないのでこれも別用途へ転用、今時PAがモノラルなのは何だが「男気の単発!?」で賄っている。
今でも感じるのはたかが個人宅のPA如きに510Wも要るんかいで、実情を知らない人が聴いたら「このオッサン来たら知らんぷりしよう」と思われそうだ。
しかし実際に出てる音量は昔のRichie Blackmoreのとかと違って、ドラムを叩かれても聴こえる程度でしかないんだけどね。
もしPAスピーカが必要性に対して無理のない大きさになるのを認めれば、こんな事態は発生しないで済む処なのだ。
平均身長170cmの人用の吊革にチビ(俺も)が必死に背伸びしてつかまってる様なもので、かくして現代PAスピーカの多くは可哀想な状況なのだ。
最近のコメント