Hi-HatとそのStand⑨「録音屋的観点から3」
それじゃあ Paiste 602 Medium (過去)と The Line Soundedge (現行)での、長年の使用経験を綴ってみるとしよう。
Zildjian と比べると体験談等が少なくその点も、何かの参考にでもなればと思う。(実際俺もそれで結構苦労してる)
先ず 602 Medium だが昔からあった Paiste の中では一番らしくなく、大してピッチも高くなく地味と云えば地味だ。
Medium なせいもありそうだがそれでいて A Zildjian みたいな音に重さや太さがあるでも無いので、渋く静か目 Jazz なら未だしも大凡 Rock には向かなさそうだ。
なので生では「マトモなサウンド」なんだが、とても頼り無くも感じていた。
だが録ってみると決して逞しくは無いが、危惧してた程では無かった。
やはり華やかさ等は足りないのだが、それでも埋もれてどう仕様もなくなりはしなかった。
但し「きつく締めて」しまうと埋もれてしまい、セッティングで物凄くタイトな感じにするはどのみち無理だった。
通常演奏で「強く踏み付ける」のが特に苦手で、露骨にピッチも変わっちまう。
柔らかい=良くしなるのもあるからか倍音が Mute されるだけで響きは短くならなく、ある意味「諦めが肝心」と悟った。
用途が不適切なんだから当然なんだが経済事情で仕方無い、そもそも他の殆どの Cymbal が借物だったんだから。
只当時の太鼓が 20 からの安物(音はそんなに悪くないが)で小音量なお陰で、バランス的には却って丁度良かったみたいだ。
また当時中古購入 Stand を無メンテでフェルト類も全て中古のせいか不明だが、エアーロックも頻発していた。
当時俺が Foot Hat が苦手目で、開閉頻度が少ないのも余計それを助長してたかも知れない。
その後太鼓もそれなりに本腰を入れる様になって、自分の意向で選んだ現行のセットへ移行する。
ここから金物も現行のになるが、上記の例とキレへの評判から Hat は Soundedge を選択。
最初は 14 にしては随分ハイピッチに感じたが、実際はそれより「目立つ倍音」の帯域が高い様だ。
確かにエアーロックは Bottom が帆立貝だから皆無だが、運悪くピッタリ合わさり過ぎれば「鳴らなく」なったりはしてる。
Hat が鳴らなくなるのがエアーロックだけじゃないのを初めて確認出来たが、勉強にはなるも勝手なのだが期待が外れてちょっとがっかり。
だからって上下の相対位置をズラし過ぎれば、今度はルーズにしかならなくなった。
まだこの時点では録りに入ってなかったから、余計気になって仕方無かった。
それで締め具合についてはどうかっつうと、並の厚さ位になったんで影響は 602よりは随分少なくなった。
だが締める=タイトには全くならなく、締め過ぎるとだんだん目立つ倍音が引っ込んでこもって来るだけだ。
「踏み」の方も同傾向だがとりたてて硬い Hat ではなくむしろ厚みの割には柔らか目みたいなんで、やはり通常時は踏み過ぎ厳禁で「余計な Mute」が増加するだけ。
その後の経緯は以前記したが俺的に Hi-Hat は、最近良く目にする Crash 系2枚重ねより大幅にセッティングに繊細さを伴うと感じている。
録ったのを聴くとそれ程じゃないんだが、欲しい感じになるのがピンポイント的らしい。
録音用の Mic 自体は別項に譲って飽く迄個人的感想だが、Paiste は音は素晴らしいが少し録音には難しさを感じる。
大した経験数は無いが A Zildjian だと生と録ったので大差無い感じなのが、それと比べたら変わってしまい易い。
またそれが On Mic になる程顕著で、Cymbal と Mic の角度次第でもかなりな変化がみられた。
生と比べなければ問題になるレベルに無いが、奏者耳としては必ずしも気持ちの良い現象じゃないのは確かだ。
でも俺の音の好みもあって今後も格闘するしかないが、主な Cymbal ブランドの中では一番「それ特有の成分」が多い様に感じる。
つまり「目立つ倍音」の含有率と量が圧倒的に多く、華やかさと如何にもな「らしさ」に秀でている様に感じる。
この特徴が録音にとっては少し手が掛るが、上手く拾いさえすれば「埋もれ」の心配が僅少になるのに繋がる。
A zildjian 等では生:Mic 差が無くて俺が油断してるのか「大丈夫だったからそのまま録った」のに、全体で聴いたら埋もれさせちゃってるよがある。
どの Cymbal にだってそれぞれ長所と短所があり全体としての優劣は無いが、音色以外にもこう云った差異が存在するみたいだ。
Paiste はブランド比だと華やか目だが、軽過ぎて若干チャラいとも取れなく無い。
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