« Hi-HatとそのStand⑦「録音屋的観点から1」 | トップページ | Hi-HatとそのStand⑨「録音屋的観点から3」 »

2018年2月23日 (金)

Hi-HatとそのStand⑧「録音屋的観点から2」

前回は太鼓屋としての自己紹介みたいになっちまったが、俺自体は「音響屋」のキャリアの方が「それ以前」からで全然長い。
だからこそ「録る価値」が認められる迄はお休みになってて、こんな順番になった。
しかし他
(弦や唄)のとか Band 等のはずっと継続して録ってた。

趣味としてのオーディオは生まれてすぐからだったので、真空管やオープンリールのテープが常識だった。
それで「録音とは生より音が劣化するもの」意識が染着いてるせいか、「先ず生音自体を何とかして」が勝ってる。

しかし究極的にはどんなに僅かでも今でも差がある訳だし、太鼓録音の初期には当然「それ用 Mic」等不所持だったので却って役立った。
まだこの頃も「録音はテープ」で生よりボケるのが当たり前だし、ロクなエフェクタだって無いから「音の通り」とか「良かった聴こえた」で苦闘してた。

それだと今なら気にならない差が結構ものを言う場合が出て、寧ろ生で只演ってる時より気にしないと上手く行かないのだ。
良く言えば人間的で柔らかく録れるが、当時の楽器は生には心地よくてもそんな録音には明瞭度が不足しがち。

今は明瞭に拾える様になったので楽器は「音の甘さ重視」とかが望ましいが、いらんお付き合いでガチガチになっちまって「生並みに和らげる」のに一苦労だ。
不自然に硬いから明瞭なのは当然だが、それじゃ音楽ってより J アラートとかサイレン(又々後者は死語!?)と一緒だ。

そこで俺なんかよりずっと昔はどうしてたのかと色々考えると、倍音成分へ行き着くのであ~る。
低性能なら倍音だって沢山欠落するんだが今との最大の差は、「例え基音であっても大幅な欠落」が起きてるからだ。

つまり音の高さ(周波数)が拾える範囲内でも拾いきれて無いので、結果基音の一部と「目立つ倍音」だけが漸く拾って貰えてるのだ。
この「目立つ倍音」を演る方で上手く扱えれば、当時のチープな機材でも「それらしい音」を再現出来る。

基音と倍音については他の当ブログで扱ったと思うので面倒でもそれ等で把握して頂くとして、基音の欠落の理由から述べる。
極端に低いとか高い音程の音だと録音機の扱える範囲から逸脱して洩れるが、それ以外で当時に一番多かったのが「器楽音のスピードに追い付けない」だ。

大昔であるだけに Buddy Rich の演奏とか以外は世の全てが、今とは桁違いの遅さなのだから。
それなのに彼の昔の録音が「音質の高級さ」以外は同じに聴こえる、やはり倍音の事を熟知してたから以外考え様が無い。

Rock 系でも黎明期は歌以外は PA レス、楽器も会場の音響も録音機材のどれもが「大ボヤ」で「普通に聴こえる」までにさぞかし苦労させられてただろう。
それで物凄く大変なんだけど演奏家のスキルとしては良い傾向で、どんな環境でも自分の表現が確実に可能になる。

悲しいかな年寄りのヒガミかも知れんが当節どちらさんも異様な「ガチガチ競争」全盛で参るが、ホントは今だって常に理想状態が維持出来てはいない筈。
そうなると昔より頻度は格段に少なかろうが、「最後は地がお目見え」となるのだ。

俺も最初はなるべく「動かない」 Cymbal の方が叩き易そうで好んだが、いざ録ってみたらばどうにもあきまへん。
仕方無く「違う部分」で求める物の獲得を画策したら、打楽器系の多くは「目立つ倍音」が肝なのが見えて来た。

実際人の生耳にも弁別能と言って「必要部に絞って聴く」処があり、「聴こえてたって聴いて無い」ってのがあるからね。

実際的には前回記した Paiste 602 Medium では、
①奏者には少しルーズでも目立つ倍音を巧く出せてると
②録ったら結構タイトで
③奏者のつもりがベリータイトでも倍音を出せてないとグダグタでしたよ。

で、どうすれば割とそうなるかの物理面では、なるべく Cymbal に「自由を与えとく」しかそうなって呉れなかった。
当時こっちの手加減は殆ど利かないし他のを買うのも無理だったから、これは半ば死活問題だったのだ。

だからアホだろうが何だろうがそりゃもう必死に追及した訳だ。

<またつづく>

« Hi-HatとそのStand⑦「録音屋的観点から1」 | トップページ | Hi-HatとそのStand⑨「録音屋的観点から3」 »

趣味」カテゴリの記事

音楽」カテゴリの記事

ドラム」カテゴリの記事

電気」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: Hi-HatとそのStand⑧「録音屋的観点から2」:

« Hi-HatとそのStand⑦「録音屋的観点から1」 | トップページ | Hi-HatとそのStand⑨「録音屋的観点から3」 »

フォト
2021年12月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ

最近のコメント