Hi-HatとそのStand③
皆は Hi-Hat の踏み方ってどれ位習ったり情報を得られてるんだろうか、前回等の補足も含め少し考えたい。
他の演奏技術と比べると割と無意識の内にまあまあになれる場合が多そう(俺も)な分、案外キチンと分析された情報が少ないと思うのは俺だけだろうか?。
本来俺如きのスキルで大層な事を語るのは役不足に違いないが、こと音響に関してはこれでも専門的に学んでいたのでその面からも述べてみたい。
また他のテクに対し言わば中級レベルの者が僅少なのか、「間が居なくてつながらない」になってる様な気もする。
Cymbal は「それ自体」が「発音源」なので、動けないと鳴り様がない。
太鼓は一般的なのは皮と胴の複数構成で、取敢えず皮が動ければ音は出る。
「最初に音が出る」のは飽く迄「皮」だから、もし胴が動き辛くなってても皮より格段に影響は少ないのだ。
更に異なるのは皮は「周り」は固定でも「真ん中」が動けば良いが、Cymbal は通常「中心の1点」以外は自由でないとそれ本来の発音作用が機能しない処だ。
時に Cymbal が余り動かない様にフェルトをきつく締めてる者も居るが、音色に変化があっても構わなければの但し書きが付く。
尚更に Hi-Hat は Cymbal 同士で Mute ってのも特異で、Mute の「する側」「される側」のどちらも多くの場合は完全固定となっては不具合が出る。
だって片方(1枚)の音しか聴こえなかったら、Hi-Hat の音じゃ無くなっちゃうもんね。
低音は「音波の波の周期」が長く(それを周波数と言う)、音が「1コ」だけでも出る為の「最低必要時間」が長く要る。
一方高音は「波の数が多い」反面「1つの波の大きさ(高さ)」が物理的に小さくなる。
低音高音が同音量に聴こえる場合に低音は「波の高さ」が、高音は「波の数の多さ」が主に作用して人の耳にはそう聴こえてるのだ。
それでバスドラでも重低音をいつも出していたい俺は「ビータ押付け Mute」は「一瞬遅らせる」か「なるべく弱く」したりしてる。
だから一寸不思議に感じられるだろうが Hi-Hat の音を「波1コ分」迄極限に短くしてしまうと、人の耳には単に「音量が下がって」聴こえるのだ。
「短くし過ぎる」と歯切れが良くなるより、現実的には「単に音量下がった」になっちまうだけだ。
また Cymbal は元から「低音成分」が含まれてるが、極桁違いの小ささなので大抵はその高音(倍音)成分に隠れて聴き取れない。
しかしアタック音のだけはそれなりに「高音以外」のも、「含まれるか無いか」位は判別が出来る。
そしてこのアタック由来の中低音成分が一通り Cymbal 全体に「響き渡る」為には、「低音」だからこれも高音より長い時間が必要になる。
つまりこのアタック音がピッタリ「1回分」になる長さが、物理理論からは「マトモな Closed Hi-Hat(Chip)」の音の最短になるのだ。
これより導き出される「最適な状態は」、
① Cymbal はなるべく「震えられ(響ける)て」
②2枚間の「位置変位」は「叩いたの1回分のみ」
となる。
具体化すれば「極軽くしか押さえて無い」のに、「Hi-Hat を叩いた後は直ちに元の位置に戻る」が一番「キレ」るとなる。
「震えて欲しいが動き続けちゃ駄目」で、こういうセッティングがし難い or ならない Stand は Closed(Chip) に不向きでしかない。
<つづく>
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