ハンダ付① 古い部品編
巷ではあまり実務的なハンダ付の方法が紹介されてないみたいなんで、取立て腕に覚えがあるでも無いが書いてみた。
上手く付かないせいで諦めてる人が多そうだけど、特にその原因についての記述が不充分に感じる。
一番多数と思われる原因はハンダ付する部分が「古く」なってるせいなのだ。
未経験者がハンダ付の必要に迫られる最初は、簡単な修理辺りからかなぁ。
全て新品で新しく作るなら別だが修理でハンダ付する場合だと、壊れて取替える部品は新品でもそれを付ける相手は大抵は「古く」なってる。
で、そのままだとちゃんとは付かなかったりする。
ハンダが付く条件はまずそれに適した金属である事だが、そこに余計な油分等(ペースト除く)があったり表面が酸化(酸化被膜)してるともうダメだ。
余計な油分等はアルコールなんかで掃除・除去出来るが、酸化被膜は磨いて削り落す必要が出て来る。
勿論W数の小さいコテで大きな物を扱おうとすれば、熱量不足でハンダを充分溶かせなくて駄目だったりもするけども。
ではそもそもハンダ付に際しての新古とは何か。
金属メッキされてると少し「新」の時間が延びるが、裸の銅のままだったら直ちに酸化して「古く」になる。
実際3日もすれば、もうハンダがまともには付かなくなって来たりする。
次に表面をピカピカになる様に「磨く」方法だが、
①サンドペーパーで擦る ②カッターの刃とか尖った物で擦るとかだ。
②で細い電線だとかを間違って切るのが怖ければ、折取って尖ってる部分とか刃の背の部分を利用すればいい。
部品の足(リード線)や単線でそれが大きかったり重たい時は、丹念に全体を磨かないと後で剥がれ易い。
撚線(細い電線が何本も束になってるヤツ)の場合は、一応全部の線にハンダが付く様にしないと後で千切れ易かったりする。
それに外側に見えてる所だけの処理だと物によっては「線の間」にある汚れに気付かず、ハンダごての熱でそれが溶け出して来て邪魔する事もあった。
では撚線の磨き方はと言うと予め捩って纏められてる場合は、大体それぞれの線にアプローチ出来る様に捩りを解し真直ぐにする。
撚線全体を軽く押し潰す感じで平らに広げて磨き、次に線全体の角度を少し回してまた同じ様にして磨く。
これを最低8角度以上施せば、大体どの線も部分的には磨きがかかった状態が得られてハンダが乗る様になるだろう。
最後にペーストなるものについて言うと、これが無いと初回はハンダが付かない。
大昔はペーストはハンダと別々になってて薄く小さい缶に入ってたが、今は大抵線状になったハンダの芯に予め入れてあって自動的に両方が作用して便利だ。
その代り何らかの不手際でペーストだけ先に溶けて流れ去ってしまうと、やはり付かなくなってしまう。
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