ハンダ付② 熱から守る方法編
大昔は電気・電子部品は大きかったのもあってハンダ付の熱の心配は余り無かったが、最近のは小さく熱に弱くなってるから対策無しだと壊す場合が多い。
電線もその被膜の大多数がビニール製になってるから、やはり少しは気を付けないと何かと不具合が出たりする。
これを比較的楽にこなすには、放熱クリップの活用がお勧めだ。
放熱クリップ(商品名ではヒートクリップ等とも)はアルミ製で、洗濯バサミを平べったくした様な形で値段も安くそれなりのDIY店なら大抵売ってる。
部品や線の本体側とハンダ付する所の間にコレを咥えさせると、熱がクリップの方へ先に多く導かれる(アルミは熱伝導がとても速い)ので本体が過熱から守られる寸法だ。
もう1つ利点があるが、それはハンダ付の「確実度」が上がる点だ。
一般的な概念ではハンダ付は「コテでハンダを溶かし、コテを離して熱がさまると固まってくっ付く」であるが…。
実は理想的なハンダ付は溶けたハンダを部品等に流すのでは無く、その逆である事が重要なのだ。
専門的表現では「ハンダを流し込む」等と言うが、言葉だけでの意訳では理解に不足が生じ易い。
ハンダを付けたい部分もハンダが充分溶ける温度まで上げて置かないと、「部品の常温」が「ハンダの高温」に勝ってくっつく前にハンダが固まる・・・。
鶏と卵の順番みたいでゴチャつく話しだが、要するに「うまくくっ付かないよ」だ。
それでハンダより先に部品等を熱するとなると熱の加わる時間もその分長くなるから、過熱破壊の危険度も鰻登りだ。
放熱クリップも小さくて放熱量が左程多く無いから全面的に頼れる訳では無いが、小さい部品程一瞬で過熱するからそれを守るのには有効なのだ。
ビニール被膜電線のハンダ付で特に有効なのは、シールド線の場合。
その外側のシールド部分の線の熱によって、芯線のビニール被膜が溶けて内外の線が接触する事故の防止だ。
これは内側に隠れて見えない所で起こるから発見・確認しづらいし、今迄平気と思ってたのだって実はギリギリセーフなだけだったかも知れない。
あとプラグ・コネクタ類にもそれが最近の物ならプラスティック製で熱に弱いから使用した方が良い。
大昔のは柔軟性に劣りプラより割れや欠けに弱い材質な代わり熱には割と強かったが、ハンダ付以外の使用時には今の材質の方が壊れにくくて良いのだ。
コレのハンダ付での問題点は熱でのプラ部分の変形だ、特に金属部の量が多いタイプ・プラ部が極小なタイプは過熱の悪影響が出易い。
キャノンプラグの足等は見た目に変化を感じなくても、実は少し角度が曲ってたりする可能性がある。
ハイ「ハンダ付無事終了」と思ったのに後で上手く挿さらないのが分って御覧なさいよ、もう第一線級の悲劇に他ならんですから。
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