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2017年4月 3日 (月)

私的 PA 考 - 歌手の難聴問題

独断と偏見だが歌い手のモニター用途としてのインナーイヤー・モニターの可否

を考察する。

確かにPAの性能やら様々な相違はあるが、かつてこんなにプロ歌手にも拘らず

聴力障害が多発した記憶は無い。

ビートルズのメンバー等今よりは多少非力な
楽器音だとしてもそれが聞こえない

程の歓声(悲鳴)に、毎晩 30 分は数年さらされてたが難聴とは聞いた事が無い。



昔はヘッドホンステレオ今は携帯音楽プレーヤと呼称は違えど、これらによる

難聴問題が未だ特に改善された印象は無い。

ノイズキャンセリング技術等がかなり向上・進化し、以前より音量を下げられる様に

なったにも拘らずである。

一般的には過大音量ばかりが指摘されるが、それならこの結果は無い筈だ。



長期間大音量環境に居てまだ幸いに難聴になってない俺の経験からすると、下

手すりゃ平均音量以上に音色・音質がとても気になるのだ。

さらに加えて、音源からの距離も同じく大いに気になる処だ。

耳と音源にある程度以上距離を持たせたら、少なくとも問題の軽減に繋がるん

じゃないか。



そもそも自然環境下の生物において、耳の至近距離で「聞くに堪えない音」を聞

き続ける事はあまり無いんじゃないの。

だってうるさかったら反射的に顔を背けたりしちゃうでしょ、限界はあるにせよそ

れで音源と耳の距離が離れて音量・音質とも変化させて軽減させ様とするよね。



音って空気の振動で伝わる物だから、間の空気量が変われば、当然音は変
る。

空気は電車・バス等のバネとして利用されるが如く弾力に富んでいて、又光や電

気の様な高速では伝播し辛い性質を持っている。

つまりそのままには伝わりにくいから悪く言えば「ボヤケ」て良く言えば「マイル

ド」になるやる気の無い人達だけでの伝言ゲームみたいに曖昧なもんだ。



音響学的には瞬間的で高い周波数の音ほどグラフで表すと尖ったモノになる

(縦軸:音量, 横軸:時間の経過)、上述の通り空気はこう云うのは苦手なのだ。

間の空気が増える程「山のてっぺんは丸く」、全体として縦に細長い形である間

は「山が低く」なる方向に作用する。



人の耳も測定器じゃないので瞬間的な大音量に対して
音色・音質はとても嫌と

分るが、音量に関しては実際より小さめにしか感じられない場合が多い。

「無防備な MIC」を吹くと嫌な大きな音が出たりするが、これをミキサーのメータで

見ると聞えた以上に盛大に反応してたりするのと同じだ。



それで耳で感じた音量と実際鼓膜に作用してる音響エネルギーが一致しない場

合が生じるが、これは音量の意識だけで判断しようとするからだろう。

「何か耳に辛いけど、そこまで大きな音じゃない」と感じ、耳に過大入力かも知れ

ないのに平気と誤解しちまう。



だが音色・音質に意識を持って行き、それで不快でない環境を求めればかなり 

防げると思う。

結局は色んな面でなるべく耳が不快でない音にすれば良いとなるが、それを電

気的方法だけに求めるのでは加減出来る範囲が狭過ぎるだろう。



だから「耳から距離を取れない」「その場で物理的加減の出来ない」モニタ方法

程、「無認識の過大音量」に晒され易く危険だと感じる次第なのだ。

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