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2017年4月

2017年4月14日 (金)

ハンダ付② 熱から守る方法編

大昔は電気・電子部品は大きかったのもあってハンダ付の熱の心配は余り無かったが、最近のは小さく熱に弱くなってるから対策無しだと壊す場合が多い。
電線もその被膜の大多数がビニール製になってるから、やはり少しは気を付けないと何かと不具合が出たりする。
これを比較的楽にこなすには、放熱クリップの活用がお勧めだ。


放熱クリップ(商品名では
ヒートクリップ等とも)はアルミ製で、洗濯バサミを平べったくした様な形で値段も安くそれなりのDIY店なら大抵売ってる
部品や線の本体側とハンダ付する所の間にコレを咥えさせると、熱がクリップの方へ先に多く導かれる(アルミは熱伝導がとても速い)ので本体が過熱から守られる寸法だ。

もう1つ利点があるが、それはハンダ付の「確実度」が上がる点だ。
一般的な概念ではハンダ付は「コテでハンダを溶かし、コテを離して熱がさまると固まってくっ付く」であるが…。
実は理想的なハンダ付は溶けたハンダを部品等に流すのでは無く、その逆である事が重要なのだ。

専門的表現では「ハンダを流し込む」等と言うが、言葉だけでの意訳では理解に不足が生じ易い。
ハンダを付けたい部分もハンダが充分溶ける温度まで上げて置かないと、「部品の常温」が「ハンダの高温」に勝ってくっつく前にハンダが固まる・・・。
鶏と卵の順番みたいでゴチャつく話しだが、要するに「うまくくっ付かないよ」だ。

それでハンダより先に部品等を熱するとなると熱の加わる時間もその分長くなるから、過熱破壊の危険度も鰻登りだ。
放熱クリップも小さくて放熱量が左程多く無いから全面的に頼れる訳では無いが、小さい部品程一瞬で過熱するからそれを守るのには有効なのだ。

ビニール被膜電線のハンダ付で特に有効なのは、シールド線の場合。
その外側の
シールド部分の線の熱によって、芯線のビニール被膜が溶けて内外の線が接触する事故の防止だ。
これは内側に隠れて見えない所で起こるから発見・確認しづらいし、今迄平気と思ってたのだって実はギリギリセーフなだけだったかも知れない。

あとプラグ・コネクタ類にもそれが最近の物なら
プラスティック製で熱に弱いから使用した方が良い。
大昔のは柔軟性に劣りプラより割れや欠けに弱い材質な代わり熱には
割と強かったが、ハンダ付以外の使用時には今の材質の方が壊れにくくて良いのだ。

コレのハンダ付での問題点は熱でのプラ部分の変形だ、特に金属部の量が多
いタイプ・プラ部が極小なタイプは過熱の悪影響が出易い。
キャノンプラグの足等は見た目に変化を感じなくても、実は少し角度が曲ってたりする可能性がある。
ハイ「ハンダ付無事終了」と思ったのに後で上手く挿さらないのが分って御覧なさいよ、もう第一線級の悲劇に他ならんですから。

2017年4月13日 (木)

ハンダ付① 古い部品編

巷ではあまり実務的なハンダ付の方法が紹介されてないみたいなんで、取立て腕に覚えがあるでも無いが書いてみた。
上手く付かないせいで諦めてる人が多そうだけど、特にその原因についての記述が不充分に感じる。
一番多数と思われる原因はハンダ付する部分が「古く」なってるせいなのだ。

未経験者が
ハンダ付の必要に迫られる最初は、簡単な修理辺りからかなぁ。
全て新品で新しく作るなら別だが修理でハンダ付する場合だと、壊れて取替える部品は新品でもそれを付ける相手は大抵は「古く」なってる。
で、そのままだとちゃんとは付かなかったりする。

ハンダが付く条件はまずそれに適した金属である事だが、そこに
余計な油分等(ペースト除く)があったり表面が酸化(酸化被膜)してるともうダメだ。
余計な油分等はアルコールなんかで掃除・除去出来るが、酸化被膜は磨いて削り落す必要が出て来る。
勿論W数の小さいコテで大きな物を扱おうとすれば、熱量不足でハンダを充分溶かせなくて駄目だったりもするけども。

ではそもそもハンダ付に際しての新古とは何か。
金属メッキされてると少し「新」の時間が延びるが、裸の銅のままだったら直ちに酸化して
「古く」になる。
実際3日もすれば、もうハンダがまともには付かなくなって来たりする。

次に表面をピカピカになる様に「磨く」方法だが、
①サンドペーパーで擦る ②カッターの刃とか尖った物
で擦るとかだ。
②で細い電線だとかを間違って切るのが怖ければ、折取って尖ってる部分とか
刃の背の部分を利用すればいい。

部品の足(リード線)や単線でそれが大きかったり重たい時は、丹念に全体を磨かないと後で剥がれ易い。
撚線(細い電線が何本も束になってるヤツ)の場合は、一応全部の線にハンダが付く様にしないと後で千切れ易かったりする。
それに外側に見えてる所だけの処理だと物によっては「線の間」にある汚れに気付かず、ハンダごての熱でそれが溶け出して来て邪魔する事もあった。

では撚線の磨き方はと言うと予め捩って纏められてる場合は、大体それぞれの線にアプローチ出来る様に捩りを解し真直ぐにする。
撚線全体を軽く押し潰す感じで平らに広げて磨き、次に線全体の角度を少し回してまた同じ様にして磨く。
これを最低8角度以上施せば、大体どの線も部分的には磨きがかかった状態が得られてハンダが乗る様になるだろう。

最後にペーストなるものについて言うと、これが無いと初回はハンダが付かな
い。
大昔はペーストはハンダと別々になってて薄く小さい缶に入ってたが、今は大抵線状になったハンダの芯に予め入れてあって自動的に両方が作用して便利だ。

その代り何らかの不手際でペーストだけ先に溶けて流れ去ってしまうと、やはり
付かなくなってしまう。

2017年4月 3日 (月)

私的 PA 考 - 歌手の難聴問題

独断と偏見だが歌い手のモニター用途としてのインナーイヤー・モニターの可否

を考察する。

確かにPAの性能やら様々な相違はあるが、かつてこんなにプロ歌手にも拘らず

聴力障害が多発した記憶は無い。

ビートルズのメンバー等今よりは多少非力な
楽器音だとしてもそれが聞こえない

程の歓声(悲鳴)に、毎晩 30 分は数年さらされてたが難聴とは聞いた事が無い。



昔はヘッドホンステレオ今は携帯音楽プレーヤと呼称は違えど、これらによる

難聴問題が未だ特に改善された印象は無い。

ノイズキャンセリング技術等がかなり向上・進化し、以前より音量を下げられる様に

なったにも拘らずである。

一般的には過大音量ばかりが指摘されるが、それならこの結果は無い筈だ。



長期間大音量環境に居てまだ幸いに難聴になってない俺の経験からすると、下

手すりゃ平均音量以上に音色・音質がとても気になるのだ。

さらに加えて、音源からの距離も同じく大いに気になる処だ。

耳と音源にある程度以上距離を持たせたら、少なくとも問題の軽減に繋がるん

じゃないか。



そもそも自然環境下の生物において、耳の至近距離で「聞くに堪えない音」を聞

き続ける事はあまり無いんじゃないの。

だってうるさかったら反射的に顔を背けたりしちゃうでしょ、限界はあるにせよそ

れで音源と耳の距離が離れて音量・音質とも変化させて軽減させ様とするよね。



音って空気の振動で伝わる物だから、間の空気量が変われば、当然音は変
る。

空気は電車・バス等のバネとして利用されるが如く弾力に富んでいて、又光や電

気の様な高速では伝播し辛い性質を持っている。

つまりそのままには伝わりにくいから悪く言えば「ボヤケ」て良く言えば「マイル

ド」になるやる気の無い人達だけでの伝言ゲームみたいに曖昧なもんだ。



音響学的には瞬間的で高い周波数の音ほどグラフで表すと尖ったモノになる

(縦軸:音量, 横軸:時間の経過)、上述の通り空気はこう云うのは苦手なのだ。

間の空気が増える程「山のてっぺんは丸く」、全体として縦に細長い形である間

は「山が低く」なる方向に作用する。



人の耳も測定器じゃないので瞬間的な大音量に対して
音色・音質はとても嫌と

分るが、音量に関しては実際より小さめにしか感じられない場合が多い。

「無防備な MIC」を吹くと嫌な大きな音が出たりするが、これをミキサーのメータで

見ると聞えた以上に盛大に反応してたりするのと同じだ。



それで耳で感じた音量と実際鼓膜に作用してる音響エネルギーが一致しない場

合が生じるが、これは音量の意識だけで判断しようとするからだろう。

「何か耳に辛いけど、そこまで大きな音じゃない」と感じ、耳に過大入力かも知れ

ないのに平気と誤解しちまう。



だが音色・音質に意識を持って行き、それで不快でない環境を求めればかなり 

防げると思う。

結局は色んな面でなるべく耳が不快でない音にすれば良いとなるが、それを電

気的方法だけに求めるのでは加減出来る範囲が狭過ぎるだろう。



だから「耳から距離を取れない」「その場で物理的加減の出来ない」モニタ方法

程、「無認識の過大音量」に晒され易く危険だと感じる次第なのだ。

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