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2017年2月

2017年2月11日 (土)

Eギターと真空管③

回は Edward Van Halen のスライダック昇圧を検証しましたが、補足も兼ね

て逆にしたらどんな音色になるかをまずは。

この敢えて電源電圧を低下(降圧)させてアンプを鳴らすのは、フルアップの『様

な』音色を小さな音量で得るのに利用されたりしてます。

コレの前段階として全真空管アンプの歪みには、主に2種類ある処からみてみ

よう。




1.プリ部(電圧増幅段)
の歪み→過大入力で歪むと 2.パワー段(電力増幅段)

 

での歪み→過大出力で歪むで、「→」の後部は歪みを実現させる為の感覚的表

現です。

1.の場合プリ部の感度(増幅率)を上げてやれば良いので、一般的には球(電圧

増幅管)の本数を追加して対処されてます。

この方式はおおよそ本数=歪の深さと考えて良く、旨く組めば広範囲に加減が

可能です。



2.の場合は歪みの深さは深く出来ずに浅く、回路設計上の最大出力(音量)に

基づいた状態でしか実現出来ません。(聴感上は大体1.5倍位か)

だがこの音色・反応は真空管以外の素子では再現し難く、それもあって貴重な

部分でもあります。

 

それで大変魅力的だがとても使いにくく、音量を適正にすべくスライダック降圧な

 

る方法が編出された訳です。



但しこの方法には色々欠点がありますが、特に後者に御注目。

 

この接続のままではクリーンサウンド時の音量不足が懸念されるのと、電圧の

 

相違による増幅率の変動から「音色が少し変わる」等です。

 

後者を具体的に表せば「マイルド」になる、又は「元気・鋭さ」が劣るです。



Edward Van Halen の全盛期当時のライバルと云えば、畑は少し違うがそれは

 

やはり Steve Lukather でした。

 

両者共当時としてはバカテクで歪みは深いが印象は対照的、Edward は「元気に

 

激しく」で Lukather は「マイルドでスマート」でした。

 

一般人!?が疑似的に Lukather の様なサウンドを得るには、「降圧」はある程

 

有効です。(当時本人は通常この手はしてない)



只両者それぞれがそれぞれの「あの音」になってるのは機材面の相違よりも、弾

 

き方の相違の方が本当は影響力が大きいでしょう。

 

彼らの全盛時ですら今と比べたら、楽器類の種類やブランドは圧倒的に少な

 

かったんです。



最終的には実際やってみて好みに合えば降圧使用も結構ですが、単純に「全開

 

 

バリバリや、どうやぁ」とは音色・反応が実は異なってるのであります。

2017年2月 6日 (月)

Simple Man の呟き⑥

ノリを科学!?するに際して「白人が8分音符でとらえる処を黒人は16でとってる」

等は他所でもよくあるので、それとは違った勝手な分類ですが気になってる部分

を。

肌の色も決して無関係では無いがそれ以上に気にして欲しいのがそもそもの音

楽自体が「体験型」か「概念型」か、今回はこれをひとくさり行ってみよう。



上記2つのうち特に気になるのは「体験型」、その中には「直感型」と言い換えら

れるモノも含まれる。

複雑なリズムパターン・アンサンブルより単純なモノの方がより「ノリだけで勝負」

してると言えるが、そうしようとした原因は何だろうか。

それって結局は所謂一つの「ひらめき」、つまり「直感型」って事なんだと思うしか

ない。



この手の類は「最初は頭の中の発想」だったとしても本採用前に必ず試してる筈

で、もし演ってみてフィーリングが違ったら没にしてるだろう。

その時の感覚・心情そのもののノリを求める場合は、必然のプロセスだ。

「ムード命」のこの方法はその為にもし邪魔だったら、技術・正確さですら大幅に

犠牲にする勇気も必要だ。

とは云え不正確過ぎたら何しようとしてるか分らなくなるから、そこのせめぎ合い

は案外シビアかも知れない。



勘違いしないで欲しいのは「概念型」のノリが皆つまらない訳じゃない処、結果的

に面白くなってるのだってある。

ただそれは「何か面白いモノ」で「意図した通りの感覚」じゃないから、「この感じ

を伝えたい」には不向きなのだ。



では現実的にこれをどう会得するかだが、「直感型」については才能が必須だ。

ノリに対する高い理解力と再現力を、予め持合せてなけりゃ無理。

しかし上記の通り「体験型」とすれば手間暇かかりはしても、不可能では無い。

まずは「ノリを体で理解」する処から始める、それには延々聴き続けるのも必須

だろう。

これにはかなりのエネルギーを要する、だから「どうしてもやりたい」って意欲が

不充分では始まらないのだ。



でも「どうしてもやりたい」気持ちにブレが無い人はある程度以上はそのフィーリ

ングに共感してる証拠で、単に再現出来て無いだけって事。

想いが強い程「飽きない」だろうし「自然とこだわってしまう」だろうから、出来る様

になる迄続けてしまう事だろう。

注意点は「頭を使い過ぎない」部分で、元が殆ど「自然現象」だから妙に考え出 

すと遠のいてしまう。



もしそこ迄持たないのであれば、それはあなたに不要だからかも知れない。

面白いノリは「聞いた事がある」のばかりでは無い筈だ、いづれにしてもどうも

「考え」てしまうのが合わないみたいだ。

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